開店40周年のジャズ・セッションバー
イントロの電話番号

コラム

  • 『おれたちのジャズ狂青春期-ジャズ喫茶誕生物語-』に掲載
    朝九時、高校生だった俺はその日も西武線沼袋駅のプラットホームに立って迷っていた。
    上り電車に乗ろうか、それとも下り電車に乗るべきか・・・・。下り電車に乗れば三つ目の駅に学校がある。
    始業ベルはすでに鳴ってしまったが、今からもぐり込めば二限目からの授業はなんとか受けられる。
    まともな高校生ならば迷わず、いやちょっとぐらい迷っても、学校へ行く下り電車に乗る。そしてまともな人生を歩む。

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  • 『ブルーノート再入門』に掲載
    さァーて原稿を書こうと、「イントロ」のカウンターに腰かけていた俺は、たまたま仕事が休みで店にきていた元アルバイトの吉島に話しかけた。
    「何かブルーノートのことで、面白い話ないかな」
    「ブルーノートといえば、亡くなりましたけど、服部良一作曲の<銀座カンカン娘>ですね。
    ブルーノートの傑作だと思います、これは。よく出来ているし面白いんですよ」

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  • 2000年頃のスイングジャーナル誌に掲載
    それは10年前の、或る日のこと。月1回、仲間内のお遊びで演っていたジャムセッションの日、ドラマーが誰も来ない数時間があった。
    いつもは、演奏の順番を仕切るだけだった俺が、運命の糸にたぐり寄せられるように、空席のドラムに向かって歩いていった。
    「俺が叩く!」バチの持ち方さえ知らないのに…でも店主が叩くっていうんじゃ、共演者諸君も、仕方なく付き合わざるを得ない。
    そのようにして、40歳で、生まれて初めてバチを握り、そして叩いた…ひどい演奏だったのだろうけれど、曲がステラだったこと以外、何も覚えていない。

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  • 『楽器でJAZZを楽しもう』に掲載
    ジャズ喫茶イントロをオープンしてから、27年間、店がつぶれる夢なんて、見たことがない。
    ふつう見たくないよね、そんな夢。でも現実には、経営的、金銭的な苦労も多い。
    たまには、店が閉鎖に追ぃ込まれる夢くらい体験したつて、不思議じゃないのに。
    でも俺の夢世界のなかでは、イントロは、強執なる経営体質に恵まれているようで、ただの-度も、つぶれたことがない。だが正確に言うと、
    「つぶれたことはなかった」と言い直さなくてはならなくなってしまつた。
    というのは、今年、正月2日の初夢で、遂にイントロ最期の日が、やってきてしまったのだ。

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